カラフルなパドルに、テニスコアを思わせるスカートやキャップ。海外セレブのスナップやインフルエンサーのSNS、ブランドの新作アイテムにも登場し始めたピックルボール。

テニスよりもコートがコンパクトだから初めてでもラリーが続きやすく、知らない人とも自然に会話が生まれる。その魅力を、スタイリストであり、ピックルボールに関わるプロデュース・ディレクション業を行う「PCKL studio」を立ち上げた有本祐輔さんの視点を交えてレポート!(以下「」内、有本さん)

そもそも「ピックルボール」ってどんなスポーツ?

pickleball paddles and balls are on the pickleball court, viewed from a low angle near the net.
simon2579//Getty Images

ピックルボールは、アメリカ生まれのラケットスポーツ。テニスのようなネット越しのラリーに、卓球やバドミントンにも通じる要素を合わせ持つ。

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テニスラケットよりも面が大きく、短い柄の「パドル」と、穴の開いたプラスチック製のボールを使うのが特徴。コートはテニスコートより小さく、基本はダブルス。ボールのスピードも比較的ゆるやかなため、ラケットスポーツの経験がない人でも、早い段階からゲームを楽しみやすい。

なぜここまで熱狂的? ピックルボールが世界で広がる4つの理由

players shaking hands over a pickleball net indoors.
Yusuke Arimoto
有本さんがLでプレイしたときの写真。ピックルボールならではの距離感の近さで、初対面でもすぐに打ち解けることができるそう。

①初心者でも、すぐにゲームができる

まず有本さんが挙げるのが、初心者でもラリーを続けやすいこと。

「コートがテニスの半分のサイズなので、自然にボールに触れる回数が多くなる。思いっきり打ち込まれても、意外と返球できちゃうんです。30分から1時間ほど練習すれば、簡単な試合ができると思います。スタートのハードルが低いことは、ピックルボールが多くの人に愛されている理由のひとつではないでしょうか」

②運動だけじゃない。新たなコミュニケーションツール

ピックルボールのキーワードは「Workout × Social」。体を動かすことと、人とのつながりを同時に楽しむことができる。

「海外の公園やピックルボールコートで行われている『オープンプレー』では、初対面の人と一緒にゲームをするのがスタンダード。コート前で順番を待ち、1試合終わると次の人たちと入れ替わるというスタイルです。知らない人とペアを組むから『どこから来たの?』『始めてどれくらい?』といった会話が自然に生まれるんです」

③子どもからシニアまで、世代を超えて楽しめる

「アメリカでは、子どもからシニアまで幅広い世代が同じコートに集まります。年齢やレベルで分けるのではなく、オープンプレーや大会を通して、さまざまな人が一緒に楽しめるのが特徴です」

さらにピックルボールは屋内でも屋外でもプレーが可能。天候や地域特有の気候に左右されない点も、世界で広がっている理由のひとつなのかもしれない。

④短時間で楽しめる、ウェルネスの選択肢

有本さんいわく、ピックルボールは忙しい日常にも取り入れやすい運動だという。

「朝1時間くらいプレーしてから仕事へ向かったり、仕事終わりに仲間とコートへ行ったり。短時間でしっかり汗を流してリフレッシュできるのも、ピックルボールのいいところです」

アメリカでは、テニスコートだった場所がピックルボールコートに変わり、街中の公園で朝からオープンプレーが行われているという。生活圏の近くで始められる環境も、日常的な運動としての広がりを後押ししているようだ。

ウェアもパドルも自分らしく。ピックルボールは“おしゃれ”で楽しい!

three people holding pickleball paddles near a tennis court.
Yusuke Arimoto
写真左が有本さん。バンダナ×キャップが今のお気に入り。LAでは思い思いの自由なスタイルで日常的にピックルボールを楽しんでいる。

ピックルボールの魅力はプレーだけでなく、コートに立つスタイルにもある。テニススカートやポロシャツ、キャップ、カラフルなパドル。レトロなスポーツクラブのムードや、プレッピー、テニスコアとも相性◎。

「まだ新しいスポーツだからこそ、“こうでなければいけない”という固定観念が少ない。明確な決まりがないからこそ、自分らしいスタイルでプレーできる楽しさがあります。

ブラトップ+スパッツでLAのジムファッションのようなスタイルもいいですし、古着のオーバーサイズのTシャツを着てもかわいいと思います。僕が押したいのは、バンダナを巻いて、キャップを被るスタイルです!」

パドルもキャラクターやグラフィックを楽しめるものから、カーボン素材を使った機能性重視のモデルまで幅広い。ファッションもプレー用具選びも、自分らしいスタイルをつくる一部になりそうだ。

ブランドも続々参入。パドルからウェア、シューズまで

スポーツブランドの動きも新しい。

「Wilson(ウイルソン)」 は2025年12月、今年7月にピックルボールイベント「TRY! PICKLEBALL」を開催。ミニコートでのゲームや空間デザイン、アパレルコレクションの展示を通じて、スポーツ・ファッション・カルチャーを横断する体験を提案した。またパドルやボール、ピックルボール専用シューズも展開している。

「ASICS(アシックス)」もピックルボール専用モデルを販売しているほか、都内の大型ピックルボール専用施設とパートナーシップを締結。
「MIZUNO(ミズノ)」も2026年8月から日本でパドルやシューズ、バッグなどの販売を開始した。

さらに、有本さんが立ち上げた「PCKL Studio」はピックルボールを軸に、スポーツとファッションを融合した日本初のライフスタイルブランド。コートの内外をシームレスにつなぐ、アクティブでラグジュアリーなアイテムを提案している。
ピックルボールチームのユニフォームデザインを手がけるなど、ファッション面からピックルボールの普及に力をいれている注目のブランドだ。

fashion campaign for pckl with models in casual outfits and the slogan "we play what matters".
PCKL Studio

日本でも急拡大中!日常に溶け込むスポーツに

two people playing pickleball indoors at wilson pickle studio.
Yusuke Arimoto
今年7月に開催された、「ウイルソン」のピックルボールイベント。「PCKL Studio」がクリエイティブを担当した。

ここ最近で、日本でもピックルボールはぐっと身近な存在に。

株式会社ピックルボールワンの2026年調査では、国内のプレーヤー人口を約33万人と推計。認知率は13.1%とまだ低い一方、潜在的な関心層は約1189万人と見積もられている。

プレーできる場所も広がっていて、ピックルボールMAPの独自集計では2026年8月26日時点で営業中の掲載施設が400件以上確認されている。

少し前まで「海外で流行っているスポーツ」だったピックルボールは、「日本でも気軽にできるスポーツ」へ進みつつあるのだ。

年代やライフスタイルを問わず楽しめるカルチャーへ

専用施設のオープンや用具の発売、イベントなどが次々と発表され、都内などではコートの予約が取りづらい状況も生まれているピックルボール。さらにオリンピック採用への期待も高まっている中、これから日本ではどのような動きがあるのか。有本さんに今後の展望を聞いた。

「日本では、スポーツやウェルネスに関心のある人、企業などから広がっている段階。これからは、年代やライフスタイルを問わず、誰もが親しめるスポーツになると思いますし、気軽に参加できるコミュニティを増やしたいです。

朝、公園でピックルボールをしてから仕事に行く。そんな日常の風景が広がれば、ピックルボールは一部の人だけのトレンドではなく、もっと身近な選択肢になっていくと思います。イベントやエンターテインメント、ファッションを組み合わせた新しい楽しみ方を提案して、日本でも海外のようなピックルボールカルチャーをつくりたいです」

まとめ:ピックルボールは、おしゃれに楽しめる新しいスポーツ

友達とおしゃれをして遊ぶのも、競技として本格的に楽しむのもいい。自由な空気感と人とのつながりを楽しめることが、ピックルボールが“次に来るスポーツ”として注目される理由なのかもしれない。