カラフルなパドルに、テニスコアを思わせるスカートやキャップ。海外セレブのスナップやインフルエンサーのSNS、ブランドの新作アイテムにも登場し始めたピックルボール。
テニスよりもコートがコンパクトだから初めてでもラリーが続きやすく、知らない人とも自然に会話が生まれる。その魅力を、スタイリストであり、ピックルボールに関わるプロデュース・ディレクション業を行う「PCKL studio」を立ち上げた有本祐輔さんの視点を交えてレポート!(以下「」内、有本さん)
そもそも「ピックルボール」ってどんなスポーツ?
ピックルボールは、アメリカ生まれのラケットスポーツ。テニスのようなネット越しのラリーに、卓球やバドミントンにも通じる要素を合わせ持つ。
Read Next
テニスラケットよりも面が大きく、短い柄の「パドル」と、穴の開いたプラスチック製のボールを使うのが特徴。コートはテニスコートより小さく、基本はダブルス。ボールのスピードも比較的ゆるやかなため、ラケットスポーツの経験がない人でも、早い段階からゲームを楽しみやすい。
なぜここまで熱狂的? ピックルボールが世界で広がる4つの理由
①初心者でも、すぐにゲームができる
まず有本さんが挙げるのが、初心者でもラリーを続けやすいこと。
「コートがテニスの半分のサイズなので、自然にボールに触れる回数が多くなる。思いっきり打ち込まれても、意外と返球できちゃうんです。30分から1時間ほど練習すれば、簡単な試合ができると思います。スタートのハードルが低いことは、ピックルボールが多くの人に愛されている理由のひとつではないでしょうか」
②運動だけじゃない。新たなコミュニケーションツール
ピックルボールのキーワードは「Workout × Social」。体を動かすことと、人とのつながりを同時に楽しむことができる。
「海外の公園やピックルボールコートで行われている『オープンプレー』では、初対面の人と一緒にゲームをするのがスタンダード。コート前で順番を待ち、1試合終わると次の人たちと入れ替わるというスタイルです。知らない人とペアを組むから『どこから来たの?』『始めてどれくらい?』といった会話が自然に生まれるんです」
③子どもからシニアまで、世代を超えて楽しめる
「アメリカでは、子どもからシニアまで幅広い世代が同じコートに集まります。年齢やレベルで分けるのではなく、オープンプレーや大会を通して、さまざまな人が一緒に楽しめるのが特徴です」
さらにピックルボールは屋内でも屋外でもプレーが可能。天候や地域特有の気候に左右されない点も、世界で広がっている理由のひとつなのかもしれない。
④短時間で楽しめる、ウェルネスの選択肢
有本さんいわく、ピックルボールは忙しい日常にも取り入れやすい運動だという。
「朝1時間くらいプレーしてから仕事へ向かったり、仕事終わりに仲間とコートへ行ったり。短時間でしっかり汗を流してリフレッシュできるのも、ピックルボールのいいところです」
アメリカでは、テニスコートだった場所がピックルボールコートに変わり、街中の公園で朝からオープンプレーが行われているという。生活圏の近くで始められる環境も、日常的な運動としての広がりを後押ししているようだ。
ウェアもパドルも自分らしく。ピックルボールは“おしゃれ”で楽しい!
ピックルボールの魅力はプレーだけでなく、コートに立つスタイルにもある。テニススカートやポロシャツ、キャップ、カラフルなパドル。レトロなスポーツクラブのムードや、プレッピー、テニスコアとも相性◎。
「まだ新しいスポーツだからこそ、“こうでなければいけない”という固定観念が少ない。明確な決まりがないからこそ、自分らしいスタイルでプレーできる楽しさがあります。
ブラトップ+スパッツでLAのジムファッションのようなスタイルもいいですし、古着のオーバーサイズのTシャツを着てもかわいいと思います。僕が押したいのは、バンダナを巻いて、キャップを被るスタイルです!」
パドルもキャラクターやグラフィックを楽しめるものから、カーボン素材を使った機能性重視のモデルまで幅広い。ファッションもプレー用具選びも、自分らしいスタイルをつくる一部になりそうだ。
ブランドも続々参入。パドルからウェア、シューズまで
スポーツブランドの動きも新しい。
「Wilson(ウイルソン)」 は2025年12月、今年7月にピックルボールイベント「TRY! PICKLEBALL」を開催。ミニコートでのゲームや空間デザイン、アパレルコレクションの展示を通じて、スポーツ・ファッション・カルチャーを横断する体験を提案した。またパドルやボール、ピックルボール専用シューズも展開している。
「ASICS(アシックス)」もピックルボール専用モデルを販売しているほか、都内の大型ピックルボール専用施設とパートナーシップを締結。
「MIZUNO(ミズノ)」も2026年8月から日本でパドルやシューズ、バッグなどの販売を開始した。
さらに、有本さんが立ち上げた「PCKL Studio」はピックルボールを軸に、スポーツとファッションを融合した日本初のライフスタイルブランド。コートの内外をシームレスにつなぐ、アクティブでラグジュアリーなアイテムを提案している。
ピックルボールチームのユニフォームデザインを手がけるなど、ファッション面からピックルボールの普及に力をいれている注目のブランドだ。
日本でも急拡大中!日常に溶け込むスポーツに
ここ最近で、日本でもピックルボールはぐっと身近な存在に。
株式会社ピックルボールワンの2026年調査では、国内のプレーヤー人口を約33万人と推計。認知率は13.1%とまだ低い一方、潜在的な関心層は約1189万人と見積もられている。
プレーできる場所も広がっていて、ピックルボールMAPの独自集計では2026年8月26日時点で営業中の掲載施設が400件以上確認されている。
少し前まで「海外で流行っているスポーツ」だったピックルボールは、「日本でも気軽にできるスポーツ」へ進みつつあるのだ。
年代やライフスタイルを問わず楽しめるカルチャーへ
専用施設のオープンや用具の発売、イベントなどが次々と発表され、都内などではコートの予約が取りづらい状況も生まれているピックルボール。さらにオリンピック採用への期待も高まっている中、これから日本ではどのような動きがあるのか。有本さんに今後の展望を聞いた。
「日本では、スポーツやウェルネスに関心のある人、企業などから広がっている段階。これからは、年代やライフスタイルを問わず、誰もが親しめるスポーツになると思いますし、気軽に参加できるコミュニティを増やしたいです。
朝、公園でピックルボールをしてから仕事に行く。そんな日常の風景が広がれば、ピックルボールは一部の人だけのトレンドではなく、もっと身近な選択肢になっていくと思います。イベントやエンターテインメント、ファッションを組み合わせた新しい楽しみ方を提案して、日本でも海外のようなピックルボールカルチャーをつくりたいです」
まとめ:ピックルボールは、おしゃれに楽しめる新しいスポーツ
友達とおしゃれをして遊ぶのも、競技として本格的に楽しむのもいい。自由な空気感と人とのつながりを楽しめることが、ピックルボールが“次に来るスポーツ”として注目される理由なのかもしれない。
















